
アウターノウンのブランケットシャツは、私たちのブランドを語る上で切っても切り離せない存在です。スタジオの片隅に積まれたヴィンテージの毛布から始まったこのシャツは、それ以来、私たちのコレクションの紛れもないヒーローとなりました。今回アウターノウンのクリエイティブ・ディレクター、ジョン・ムーアにそんなブランケットシャツの誕生秘話を聞きました。
ブランケット シャツのインスピレーションは何でしたか?
ブランドを作り始めた初期の頃、まだ「Outerknown」という名前が決まる前に、スタジオの片隅に世界中から集めたヴィンテージブランケットの山があったんだ。それを何年もかけて集めていて、毛布に包まれるようなシャツを作れたらクールだなって考えずにはいられなかった。それが本当にスタートだったんだ。

当時、このスタイルデザインで埋めようとしていた市場のギャップはありましたか?
子供の頃、サーフィンやスケートのフランネルはユニフォームの一部だった(特に90年代)。みんな作っているし、どれも同じに見える。私は憧れのデザイナーからヘビーウェイトのシャツジャケットを購入したことがあるけれど、それは板のように硬くて全然柔らかくなかった。そこで私たちはまず、ディテールとクオリティに優れ、ヴィンテージのような柔らかさを感じられるシャツを作ることを想像したんだ。ブランケットシャツは、ラフに着こなせるだけでなく、バッグの底に詰め込んで引っ張り出してもすぐに着用可能で、必要なときにはきれいにしまうこともできる。毛布に包まれるような感覚を味わえる、最も魅力的で長持ちするシャツを作る挑戦だったんだ。
私たちは、丈夫でありながら非常に柔らかいオーガニックコットンで、さまざまな毛織物を模倣しようと試みた。これは簡単なことではなかったけど、十分な強度を持ちつつ非常にしなやかで通気性が良く、羽織ったときに心地よい「ロフト綾織」にたどり着いた。 この結果、完璧なフィット感と肌触りが実現したんだ。当初からヨークとサイドシームにシャンブレーの裏地を付けて補強し、天然素材のコロゾナットボタンで仕上げた。デザインは当初から変わらず、常に新しい柄や色をデザインして新鮮さを保っているんだ。
これほど人気が出て、さまざまな人に支持されるとは想像していましたか?
実はブランケットシャツに対する普遍的な愛情を最初から感じていたよ。最初のブランケットシャツは「コンパスチェック」と呼ばれ、2015年のコレクションに初登場した。 当時はメンズしか作っていなかったけど、知り合いの女性たちは皆このシャツを着て、どれだけ気に入っているか話してた。 その後、セカンドコレクションではセラペストライプを加え、ブランケットシャツのストーリーが実現したんだ。ブランケットシャツは海岸沿いのコミュニティと強く結びついているけど、他の多くのバイヤーも注文し、マスコミが話題にしたアイテムでもあった。WSJは当時のベスト記事とともにこの商品を紹介し、他のメディアもこぞって取り上げたよ。

お気に入りのブランケットシャツの思い出は、世界の誰かが着ているのを見ること、それともこのチームでデザインしたことですか?
正直なところ、世界中の人が着ているのを見ることだね。ウィンブルドンでウディ・ハレルソンがブランケットシャツを着ているのを見るのが大好きなんだ。私たちが女性用のスタイルを作る前から、女性たちはずっとそれを着用してきた。街で良く見かけるし、知らない人からDMでお気に入りの服になったことを教えてもらうのも嬉しいよ。 それと、ブランケットシャツで朝食のブリトーを包み、自転車のカゴに入れて温めていたこともある。これ、本当に実話だよ。

クロマの登場でさらに人気がでましたね。
クロマのソリッドカラーが本当に好きなんだよね。写真やハンガーにかけても、ウォッシュの特徴がしっかり生きていて、その柔らかさを感じることができる。ツイルの質感や縫い目の高低差がとても美しくて、着れば着るほど良くなっていく。 ヨークと補強の裏地はシャンブレーではなく、すべてガーメントダイで同系色に染められているんだ。クロマは何にでも合うから、柄物よりもよく着るよ。毎日チェック柄を着る気分ではないけれど、この無地はいつでもぴったり。新鮮な色や柄を頻繁に更新しているし、品質や肌触りは何年も使えるものだからさ。私のお気に入りのブランケットシャツは、今でも最初の頃に作ったものなんだよね。

ブランケットシャツの名前の由来は?
感情的な反応を呼び起こすような、ユニークなスタイルの名前にしたんだ。 ブランケットシャツはまさにその名の通り、肌触りがいいんだ。 着てみれば、私が言っている意味がすぐにわかるはずだよ。
フランネルではなくオーガニックコットンにした理由は?
これはフランネルではなく、ブランケットシャツなんだ。綾織のテクスチャーから、オーガニックコットンを使用することまで、すべて意図的に決めた。オーガニックコットンは育成に少ない水で有害な化学物質を含まないため、物理的に肌に優しく、さらに環境にも配慮している。ブランケットシャツを従来の糸で作るなんて想像もできなかったよ。 裏地と補強のディテール、そして天然のコロゾナットボタンはすべてオリジナルのデザインの一部であり、2015年当時とまったく同じだよ。
